【豆知識50】海風(sea breeze)と陸風(land breeze)|夏季の海風は「天然の冷房」に例えられることがあります

はじめに

 穏やかな晴れた日、海岸地域を中心に、日中には海から陸へ向かう風、夜間には陸から海へ向かう風がしばしば吹きます。前者を海風(sea breeze)、後者を陸風(land breeze)と呼びます。ちなみに breeze は「そよ風」「微風」 を意味します。
 このような海風と陸風が1日を周期として交代する風系を海陸風と呼びます。今回の豆知識では、海陸風の発生メカニズムや特徴、さらに過去の事例を紹介します。さらに、関連する気象予報士試験の問題についても取り上げます。

海風と陸風とは

陸地の温度と海面の温度

 陸地は「暖まりやすく冷えやすい」特性があります。一方、海面は「暖まりにくく冷めにくい」特性があります。これには、①岩石や砂(陸地)の比熱よりも、比熱の方が大きいこと、②海では水面に入射する日射はかなりの深さにわたって吸収されること、③海では水面からの蒸発によって熱を奪われること(豆知識16)などが関係します。(比熱とは、1gの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量のこと)
 また、海洋表層は陸地と異なり海水が混合されるので、日射に伴う海面の温度変化は、陸地表面のそれよりはるかに小さいです。つまり、海面温度の日変化は概ね1℃未満であるのに対し、地面温度の日変化は20℃を越えることも稀ではありません。
 これらの結果、一般に、日中では陸地面の温度は海面のそれより高く、逆に夜間海面温度の方が陸地面温度より高くなります(図1)。

図1 日中(左)と夜間(右)における陸地面と海面の気温(模式図)

海陸風の発生メカニズム

 さきほど述べたとおり(図1)、日中、日射を受けると陸地面の温度は海面の温度より高くなります。

 図2(左)をご覧ください。暖まった地表面からは、乱流(空気中の小さな渦による熱の鉛直輸送)などによって、その上の空気も暖められて(①)密度が小さくなり(軽くなり)ます。このため、陸上の気圧は海上の気圧よりも低くなります(②)。その結果、下層で海上の空気は陸上へ向かいます(③)。この、海から陸に向かって吹く風が海風です(③)。

図2 日中(左)と夜間(右)における海陸風循環(模式図)
注)浅井(1996)を参考に作図。暖(冷)、高圧(低圧)は、同一高度における海上と陸上との相対的な比較を表す。

 地表面から空気が暖められるのは、高さ1km程度までです。陸上で日射により加熱された空気塊は、鉛直方向に膨張し、ある高度より上では断熱上昇(④)による冷却豆知識15)によって、同一高度にある海上の空気塊より気温が低くなります(⑤)。気温が低くなると、密度が大きくなります。その結果、この高さでは陸上の気圧は海上の気圧よりも高くなり(⑥)、陸上から海側に向かって反流と呼ばれる風(⑦)が吹きます。この反流は海上で下降して(⑧)、海風循環を形成します(図2左)。
 なお、量的には反流の層の方が海風のそれより厚く、最大の反流の強さは海風のそれの3分の1程度です。

 夜間になると、図2(右)に示すとおり、定性的に全てがになります。すなわち、海・陸面の温度差は逆転し、気圧勾配も逆向きとなり、海風循環が消滅して陸風循環に転じます。

 以上のように、風の弱い晴れた日に発生する海陸風循環は、海面上と陸面上の気温の高低昼夜で逆転することにより、1日周期の変化が卓越します。
 海陸風循環は、大気の下層の現象です(図2右、左)。海風は、陸風よりも強く厚さも陸風に比べて厚い傾向にあります。一般に、海風は風速が5~7m/s程度で地上から高度200~1000mの間を吹き、陸風は風速2~4m/s程度でその高度領域は100m前後である場合が多いです。

その他の特徴

1.風が吹く時間帯

 一般に、海岸近くでは海風日の出後3~4時間陸風日没後1~2時間始まります。海風と陸風が交代する朝晩は、一時的に風が弱くなります。これが朝凪、夕凪です。
 なお、海風が陸地に侵入した地域では気温の上昇が抑えられることがあります。特に夏季の日中における海風の冷却効果は、「天然の冷房」ともいえる役割を果たします。逆に「瀬戸の夕凪」といわれるように海風がピタリとやんだ瀬戸内海地方の夏の夕方は、湿気がまとわりつくような暑さになります。

2.水平規模

 海陸風の及ぶ範囲は、陸風の場合は洋上10km程度までですが、海風は広い平野部や大きな川筋に沿って海岸から数十~百km先まで達することもあります。特に、一般風が海から陸に向けて吹いているときには、海風が内陸に侵入する距離が長くなる傾向があります。
 気象現象の水平規模のうち、メソスケールは、メソγ(2~20km)、メソβ(20~200km)、メソα(200~2000km)のスケールに細分されます(豆知識6)。海陸風は水平方向に10km~100kmのスケールですので、主としてメソβスケールの現象に該当します。
 一般的に海陸風は空間スケールが小さく、地球自転の影響であるコリオリの力(豆知識3)が働くことはあまりありません。しかし、内陸に100kmも侵入するような規模の大きい海風では、コリオリ力(豆知識3)によって風向が海岸線に直角(低圧部に向かって直線的)な方向から次第にずれます。

3.季節性

 一般に、明瞭な海風循環は冬季より夏季の方が出現しやすく、また、海風は冬季より夏季の方が強い傾向にあります。その理由は、①夏季は冬季に比べて平均的に風が弱いこと、②日射の強い夏は、日中における地面温度の大きな上昇により海上と陸上の間に大きな気温差ができるためです。

4.陸地の乾燥程度と海風

 一般に、陸面が湿っている場合は、乾燥している場合より海風は弱くなります。その理由は、陸地面が湿っていると、水分を含む分だけ比熱が大きくなり、日射を受けた時の海陸の温度差が、陸地が乾いているときより小さくなるためです。また、陸面からの蒸発によって熱を奪われること(豆知識16)も関係します。

5.海風前線

 晴天の日中、海岸から内陸へ吹き込む海風は、先端部で風向や露点温度が急変する海風前線」を形成することがあります。海風前線付近では大気下層で水平収束豆知識7)が起こり、地面付近の暖められた空気が上昇しやすくなるため、対流雲が発達して雷雨やにわか雨、突風などの不安定な現象を引き起こすことがあります。半島部では両側からの海風が収束し、積乱雲が発達することもあります。
 また、海風前線付近では、工場や人口密集地の海岸部から運ばれた物質によって大気汚染が発生することがあります。例えば関東地方では、晴天日の日中に中部山岳地帯で発生する熱的低気圧(ヒート・ロウ)に向かう下層風と海風が重なり、「広域海風」と呼ばれる南風が広範囲に吹き、臨海部の汚染空気が内陸の山沿い地域まで運ばれることがあります。

海風の事例

 先に述べたとおり、一般に陸風と海風が交代する朝は一時的に風が弱まり(朝凪)、海風は日の出後3~4時間ほど経ってから始まります。この点を踏まえ、2026年5月18日の九州北部地方(福岡県・佐賀県の日の出は、5時16~17分頃)における事例を紹介します。

 図3は、この日の9時(①)と12時(②)の地上天気図です。九州北部に位置する福岡県や佐賀県は高気圧に覆われ晴天となり、日中は強い日差しが照りつけ、昼夜の気温差が大きい一日でした。
 図3の①、②において赤色の線で囲んだ九州北部地方は、等圧線の間隔が広く、海陸風とは別に、気圧の分布によって広い範囲で吹く風(一般場の風)は弱いことが推察されます。

図3  2026年5月18日9時(①)と12時(②)の地上天気図 
注)気象庁の天気図の一部を拡大(注目したエリアを赤色の線で囲んだ)。

 今回は、海岸に近い地点(気象庁が用いている観測地点名)として、佐賀県の唐津、福岡県の前原、福岡(福岡管区気象台)、博多(福岡空港)、宗像の気象データに注目します。また参考として内陸部に位置する佐賀県の佐賀(佐賀地方気象台)、福岡県の久留米のデータも紹介します(図4)。

図4 今回の豆知識で注目した気象庁の観測地点

5月18日7時(朝凪の時間帯)の風

 図 5 の①は地上の風向・風速、②は風の流れと風速の分布を示しています。①を見ると、海岸に近い観測地点では風が弱く、朝凪の状態にあると考えられます。②を見ると、沿岸部では風が弱い一方で、さらに沖合では沿岸から沖に向かう風が確認できます。これは、陸風の名残(残存流)である可能性が示唆されます。
 次に、気温をみてみましょう。③において、海岸に近い地域(唐津、前原、福岡、博多、宗像)と内陸部(佐賀、久留米)との間に明確な気温差はみられません

図5  2026年5月18日7時における地上の風の観測値(①)、地上の風の予想図(②)、及び地上の気温の観測値(③)
注)①と③:気象庁提供(一部の観測地点名を加筆)。②:欧州中期予報センターの数値予報モデルによる予測値(Windy.comのwebサイトより入手)。細く途切れた線は、風の流れを示す(今回は静止画を示すが、実際のwebサイト上では粒子アニメーションで表示されている)。風速(kt)の分布は、色を変えて表示。

5月18日13 時(海風の時間帯)の風

 図6①を見ると、海岸に観測地点では海から陸へ向かう風が観測されています。②でも、沖から沿岸に向かう風の流れを確認できます。これらは、海風と判断できます。
 次に、気温をみてみましょう。③は13時、④は14時の観測値です。海岸に近い地域(唐津、前原、福岡、博多、宗像)の気温が、内陸部(佐賀、久留米)より低くなっています。この気温差には、海風の影響もあると考えられます。

図6  2026年5月18日13時における地上の風の観測値(①)、地上の風の予想図(②)、地上の気温の観測値(③)、および同14時における地上の気温の観測値(④)
注)図の注釈は、図5を参照。

過去の気象予報士の試験問題

 過去の気象予報士試験において、海陸風に関する問題が出された例を、以下に紹介します。

第61回気象予報士試験 学科

図7 第61回学科 専門知識問11

 (a)に関しては、図1と2を用いて述べたとおり、海陸風循環については、海面と陸面の気温が昼夜で逆転することにより、1日周期の変化が卓越します。よって、問題文(a)は、正しいです。
 (b)関しては、図2を用いて述べたとおり、海風は陸風に比べて層の厚さが厚く風速も大きい傾向にあります。よって、問題文(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、「その他の特徴(季節性)」の項目で述べたとおり、明瞭な海風循環は冬季より夏季の方が出現しやすいです。よって、問題文(c)は、正しいです。
 (d)に関しては、「その他の特徴(海風前線)」の項目で述べたとおり、海風は、水平収束をもたらし、不安定性降水を発生させる要因となることがあります。よって、問題文(d)は、正しいです。

第58回気象予報士試験 学科

図8 第58回学科 一般知識問9

 (a)に関しては、「その他の特徴(陸地の乾燥程度と海風)」の項目で述べたとおり、一般に陸面が湿っている場合は、乾燥している場合より海風は弱くなります。よって、問題文(a)は、誤りです。
 (b)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海風層の上では気圧傾度が逆になり、反流といわれる風が吹きますよって、問題文(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、図2を用いて述べたとおり、風速は海風より陸風の方が小さい傾向にあります。よって、問題文(c)は、誤りです。
 (d)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海陸風の層の厚さは、海風より陸風の方が薄い傾向にあります。よって、問題文(d)は、誤りです。

第48回気象予報士試験 学科

図9 第48回学科 一般知識問9

 図2を用いて述べた内容を考慮すると、最も適切な図は “” となります。ちなみに、④は、図2(左)に対応します。

第41回気象予報士試験 学科

図10 第41回学科 専門知識問11

 (a)に関しては、図2を用いて述べたとおり、量的には反流の層の方が海風のそれより厚いです。よって、問題文(a)は、誤りです。
 (b)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海風の方が陸風よりも風速が大きい傾向にあります。よって、問題文(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、空間スケールが比較的大きい場合はコリオリの力が働きます。よって、問題文(c)は、誤りです。
 (d)に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、一般風が海から陸に向けて吹いているときには、海風の内陸への侵入距離が長くなる傾向にあります。よって、問題文(d)は、正しいです。

第36回気象予報士試験 学科

図11 第36回学科 一般知識問10

 (a)に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、海陸風は、主としてメソβスケールの現象に該当し、海風は海岸から数十~百km先まで達することもあります。よって、下線部(a)は、誤りです。
 (b)に関しては、図2を用いて述べたとおり、陸上で上昇した気流は周囲の空気塊を押し上げて断熱冷却します。よって、下線部(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、この高さでは、陸上の気圧の方が高くなります。よって、下線部(c)は、誤りです。

第32回気象予報士試験 学科

図12 第32回学科 一般知識問10

 (a)に関しては、図1を用いて述べたとおり、日射を受けた場合、陸地は「暖まりやすい」一方で海面は「暖まりにくい」特性があることが主要因となり、海面よりも陸面の表面温度が上昇します。よって、問題文(a)は、誤りです。
 (b)に関しては、図2を用いて述べたとおり、量的には反流の層の方が海風のそれより厚く、最大の反流の強さは海風のそれの3分の1程度です。よって、問題文(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、規模の大きい海風では、コリオリ力が働きます。よって、問題文(c)は、正しいです。
 (d)に関しては、図2を用いて述べたとおり、陸風は海風ほど強くありません。よって、問題文(d)は、正しいです。

第29回気象予報士試験 学科

図13 第29回学科 専門知識問10

 (a)に関しては、図1を用いて述べたとおり、日中と夜間で海面上と陸面上の相対的な気温の高低が逆転します。よって、下線部(a)は、正しいです。
 (b)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海風に比べて陸風の方が層の厚さが薄く風速が小さい傾向にあります。よって、下線部(b)は、誤りです。
 (c)に関しては、「その他の特徴(季節性)」の項目で述べたとおり、明瞭な海風循環は冬季より夏季の方が出現しやすいです。よって、下線部(c)は、正しいです。
 (d)に関しては、「その他の特徴(海風前線)」の項目で述べたとおり、日中に中部地方の山岳地帯に発生する熱的低気圧に吹き込む下層風と海風が重なって、海から内陸に向かう風が広い範囲で強まることがあります。よって、下線部(d)は、正しいです。

第21回気象予報士試験 学科

図14 第21回学科 一般知識問10

 (a)に関しては、図1を用いて述べたとおり、海陸風循環は、大気の下層の現象です。よって、下線部(a)は、誤りです。

第19回気象予報士試験 学科

図15 第19回学科 一般知識問11

 (a)に関しては、図2を用いて述べたとおり、陸上の気温の日変化が海上のそれに比べ大きいために生じます。よって、下線部(a)は、正しいです。
 (b)に関しては、図2を用いて述べたとおり、風速は海風より陸風の方が小さい傾向にあります。よって、下線部(b)は、誤りです。
 (c)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海陸風の層の厚さは、海風より陸風の方が薄い傾向にあります。よって、下線部(c)は、誤りです。
 (d)に関しては、図2を用いて述べたとおり、同一高度の気圧は、陸上の方が海上に比べて低いです。よって、下線部(d)は、誤りです。

第15回気象予報士試験 学科

図16 第15回学科 専門知識問6

 (a)に関しては、「その他の特徴(風が吹く時間帯)」の項目で述べたとおり、一般に陸風と海風が交代する朝は一時的に風が弱くなり(朝凪)、海風は日の出後3~4時間で始まります。よって、問題文(a)は、誤りです。
 (b)に関しては、「その他の特徴(海風前線)」の項目で述べたとおり、海岸から内陸へ吹き込む海風は、先端部で海風前線を形成することがあります。よって、問題文(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、図1を用いて述べたとおり、海面を通して吸収された熱が海水の混合によって下層に運ばれるため、海面温度が変化しにくいことが原因の一つとなります。よって、問題文(c)は、正しいです。
 (d)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海風と比べて陸風の方が弱い傾向にあります。よって、問題文(d)は、正しいです。

第13回気象予報士試験 学科

図17 第13回学科 専門知識問9

 (a)に関しては、「その他の特徴(季節性)」の項目で述べたとおり、海風は冬季より夏季の方が強い傾向にありますよって、問題文(a)は、正しいです。

第11回気象予報士試験 学科

図18 第11回学科 専門知識問9

 (a)に関しては、「その他の特徴(季節性)」の項目で述べたとおり、一般に、明瞭な海風循環は冬季より夏季の方が出現しやすいです。よって、下線部(a)は、正しいです。
 (b)に関しては、「その他の特徴(風が吹く時間帯)」の項目で述べたとおり、一般に、海風は日の出後3~4時間、陸風は日没後1~2時間で始まります。よって、下線部(b)は、正しいです。
 (c)に関しては、図2を用いて述べたとおり、海風は陸風に比べて風速がやや強く、厚さは陸風に比べて厚い傾向にあります。よって、下線部(c)は、正しいです。
 (d)に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、海風は海岸から数10km先まで達することがあります。よって、下線部(d)は、正しいです。

第7回気象予報士試験 学科

図19 第7回学科 一般知識問8

 ①に関しては、図2を用いて述べたとおり、海陸風が生じる要因として、海と陸の比熱の違いが挙げられます。よって、問題文①は、正しいです。
 ②に関しては、「その他の特徴(陸地の乾燥程度と海風)」の項目で述べたとおり、一般に陸面が湿っている場合は、乾燥している場合より海風は弱くなります。よって、問題文②は、誤りです。
 ③に関しては、図2を用いて述べたとおり、一般に海風は、陸風よりも強いです。よって、問題文③は、正しいです。
 ④に関しては、「その他の特徴(海風前線)」の項目で述べたとおり、海風前線は、対流雲を伴うことがあります。よって問題文④は、正しいです。
 ⑤に関しては、図2を用いて述べたとおり、海風の上空には、陸から海に向かう反流があります。よって、よって問題文⑤は、正しいです。

 以上のことから、①~⑤の中で誤っているものは、“” となります。

第5回気象予報士試験 学科

図20 第5回学科 専門知識問9

 ①に関しては、図2を用いて述べたとおり、地表付近では地面と海面の間で気圧差が生じ、海から陸に向かって風が吹きます。よって、問題文①は、正しいです。
 ②に関しては、「その他の特徴(水平規模)」の項目で述べたとおり、規模の大きい海風では、コリオリ力によって風向が海岸線に直角な方向から次第にずれます。よって、問題文②は、誤りです。
 ③に関しては、図2を用いて述べたとおり、一般に海風は、陸風よりも強いです。よって、問題文③は、正しいです。
 ④に関しては、図2を用いて述べたとおり、一般に、海風のおよぶ高さの方が陸風のおよぶ高さより高いです。よって問題文④は、正しいです。
 ⑤に関しては、「その他の特徴(海風前線)」の項目で述べたとおり、半島部では両側からの海風が収束し、積乱雲が発達することがあります。よって、よって問題文⑤は、正しいです。

 以上のことから、①~⑤の中で誤っているものは、“” となります。

さいごに

 今回の豆知識では、穏やかな晴天の日に海岸地域を中心として見られる、日中の海風(海から陸へ)と夜間の陸風(陸から海へ)について紹介しました。
 古くから船乗りの間では、早朝に沖へ出て、午後に港へ戻るのが得策だと知られていました。また、沿岸地域に暮らす人々にとって、夏の日中に吹く海風が暑さを和らげてくれることは、日常的に体感されていることでしょう。
 ところで、夏の高校野球をテレビで観戦していると、「甲子園球場では、ライトからレフト方向に浜風が吹いています」と実況されることがあります。この“浜風”こそ、今回取り上げた“海風”です。
 このように、海陸風は私たちの暮らしの中に溶け込み、身近なところでその影響を及ぼしています。

今回の豆知識で参考にした図書等

●浅井冨雄(1998) ローカル気象学(第2版),東京大学出版会
●井野英雄,根山芳晴(1972)海陸風の研究,天気19: 299-310
●岩槻秀明(2017)気象学のキホンがよ~くわかる本(第3版),秀和システム
●小倉義光(1999) 一般気象学(第2版),東京大学出版会
●気象庁のwebサイト
●気象業務支援センターのwebサイト
●瀧本家康(2014)兵庫県神戸市における海陸風の統計的解析,天気61: 507-513
●中田隆一(1985)海風循環の発生時の一形態,天気32: 167-173
●新田 尚,立平良三(2004) 改訂版 最新 天気予報の技術,東京堂出版
●藤部文昭(1981)海陸風の季節的特性,天気28: 367-375
●Windy.comのwebサイト

タイトルとURLをコピーしました